「知っている」が「顔が浮かぶ」になる
「台所に大好きなチーズとか、おつまみを広げて、お酒を飲みながら時々様子を見る。そうやってご飯釜の側で炊きあがりを待つ時間が好きなんです」と話す宮本さん。
南部鉄器の産地、岩手県で生まれ育った宮本さんが鉄器を使い始めたのは一人暮らしの時。実家では、鉄瓶や鉄急須が棚に並んでいるのを見ていたものの自分で使うことはほとんど無かったと言います。
「どこで、どんな人が、どうやってつくっているかわかる、想い入れの強いものに囲まれた生活が理想です」と話す宮本さんは物作りをしている人のお話を聞くことが好きなのだそうです。OIGENの鉄器との出会いも、ファクトリーショップを訪れて作り手の話を聞いたことがきっかけでした。
ずっと意識の片隅にあった地元の物。その作り手と一対一で向き合った時に、初めて物の奥にある“想い”に触れられます。馴染みの無かった物との距離が縮まる愉しい瞬間です。
「同じお米を炊くのなら愉しいほうがいい!」と選んだご飯釜。作り手と出会って選んだ鉄器には、自分自身にしか味わえない愉しさがあるのです。

