料理

やんべめし-仕事終わりの時間からワインと味わうアヒージョ

この特集で紹介するのは、南部鉄器を使った簡単でおいしいレシピ「やんべめし」。東北地方の方言で「いいあんばい」とか「テキトーな」を意味する「やんべ」な飯だから、「やんべめし」です。鍋、フライパン、グリルパン。南部鉄器の調理器具にはいろんなカタチがあって、それぞれの特徴を活かした公式レシピは、当サイトでもたくさん紹介しています。それとは一味違う「やんべめし」を通して、鉄器の愉しさをみなさんと一緒に探ってみたいと思います。
さて、今日はどんなやんべめしが食べられるのでしょうか。

今回やんべめしを披露してくれるのは、及源鋳造株式会社の営業の渡辺さん。渡辺さんがやんべめしを作るのは、仕事を終えた後の夕飯の時間。夜7時から8時ころ、少し遅い時間に帰宅するため、十分に料理をする時間を取るのは難しいものの、週末、仕事が一段落ついた時には自分へのごほうびとして、普段作る料理よりもさらにひと工夫加えたメニューを作っていると言います。

「私のように仕事が終わった後、家に帰ってから夕飯の支度をする人たちみなさんに言えることだと思うんですが、一から自分でご飯を用意するのはなかなか難しくて。でも時間がないとは言え、なるべくこだわった料理を食べたいなと思う。そこで、南部鉄器を使って、いい食材やいい調味料の力を借りた簡単でおいしく食べられるレシピを実践しているんです。」と渡辺さん。

アパレル関係に勤務していた経験もあることから、自分の好きなことにアンテナを張って「音楽や映画もそうだけど、一つのことにはまったらとことん突き詰めるタイプなんです。」と言う渡辺さん。服をトータルコーディネートするように、食卓に並べる食器やカトラリーにこだわり、お気に入りの食品会社の食材を仕入れ、買い物をしながら目に止まった調味料を買い溜め。そうして用意した食材や調味料と南部鉄器を組み合わせ、やんべめし作りを愉しみます。

「私はお酒が好き。特にワインが好きなので、ワインに合うビネガー系の料理を作ることが多いです。お酒を飲みながらふと思いついたように、料理に取り掛かることが多いですね」
そうお話している様子がすでに愉しそう。早速、渡辺さんが普段食べているというアヒージョを作っていただきます。

材料に使うのは缶詰のオイル漬けになっている、ホタテと牡蠣。加えて、みょうが、梅干し、海苔。アヒージョの味を決める重要なオリーブオイルは、あらかじめ梅が漬けられていたものを使用します。

「レシピのアイデアは、好きな料理家のワタナベ マキさんやアウトドア料理のレシピ本からインスピレーションを受けています。それらを参考に、鉄器を使ったアレンジ料理を探しています。」

使う南部鉄器は小さなココット。一人分にちょうどいい量を作れる小ぶりの南部鉄器です。ココットにオリーブオイルを鍋の半分ほど注ぎ、缶詰のホタテ、牡蠣と梅干しを加え、蓋をして弱火でじっくり加熱。

ぐつぐつと沸いてきたら、火を止め、スライスしたみょうがを鍋に加える。ここからは余熱でじっくり蒸らします。

そうして待っている間に、フォカッチャをトースト。全面に焼き目がつくようにひっくり返しながら、「焼き焼きグリル ぽっちゃり」で焼いていきます。

余熱で蒸らしていたアヒージョは、みょうがにある程度火が通ったら完成。このメニューはあっという間に作れることも魅力のひとつ。仕上げに海苔をちらして、熱々のうちにいただきます!

お皿にアヒージョの具を取り分けて食べてみると、オリーブオイルに梅干しやみょうがの味が染みて、さっぱりとおいしい。お好みでバルサミコ酢やワインビネガーを加えると、また違った味わいを愉しむことができます。わたなべさんが調味料にこだわる理由が、実際に食べると、本当によく伝わってくる。

そうして味の変化を愉しみながら食べているうちにアヒージョの具はどんどんなくなっていきます。そうして具がある程度減ってきたら、オリーブオイルにフォカッチャを付けて食べる。カリッとした食感に、貝のダシや梅干し、みょうがの味が染みたオリーブオイルがとっても美味しい。確かに、これにお酒があったら本当にいい時間を過ごせそう。

「自分のつたない料理ですけどね。こういうのを食べて、お酒を飲んで、ひとりでまったりと。そうして愉しい時間を過ごしているんですよ。」

時間がない中でも、自分の好きなこと、こだわりを大切にして作るわたなべさんのやんべめし。
いい食材、いい調味料、いいモノを加えるそのひと手間が、味の深みや上品さ、料理の質をさらに引き立てているのです。

さて、次回はどんなやんべめしが食べられるのでしょうか。

レシピ

南部鉄器のココットでアヒージョ

材料

ホタテの燻製の缶詰 1缶
牡蠣の燻製の缶詰 1缶
梅干し 2個
オリーブオイル(本レシピでは、ニンニク、唐辛子、バジル、ローリエを漬け込んだものを使用) 適量
茗荷 3個
韓国のり お好みの量
フォカッチャ お好みの量

手順

  1. ココットにオリーブオイルを入れ、ホタテ、牡蠣、梅干しを入れて弱火でじっくり加熱する。
  2. ぐつぐつしてきたら、スライスしたみょうがを入れて余熱で蒸らす。
  3. 海苔をお好みで散らして完成。
  4. フォカッチャは焼き焼きグリルでトーストしておく。

※今回使用した鉄器「キャセロール オーバル」は、岩手直営店OIGEN FACTORY SHOP または お電話(0197-24-2411)にてご注文いただけます。

ライター 宮本さん

文 宮本拓海(みやもとたくみ)
1994年生まれ。岩手県奥州市出身。
2019年4月よりフリーランスライターとして活動中。
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