やんべめし – くっつかない!焼かない!及川専務の裏ワザ焼きそば

この特集で紹介するのは、南部鉄器を使った簡単でおいしいレシピ「やんべめし」。東北地方の方言で「いいあんばい」とか「テキトーな」を意味する「やんべ」な飯だから、「やんべめし」です。鍋、フライパン、グリルパン。南部鉄器の調理器具にはいろんなカタチがあって、それぞれの特徴を活かした公式レシピは、当サイトでもたくさん紹介しています。それらとは一味違う「やんべめし」を通して、鉄器の愉しさをみなさんと一緒に探ってみたいと思います。
今回は鉄鍋を使ってくっつかない焼きそばの作り方をご紹介します!
やんべめしを披露してくれるのは及源鋳造株式会社の及川専務。
メニューは南部鉄器で作る「焼きそば」です。 「家のご飯が焼きそばに決まった時は、具材が用意されてあって、電話がかかってくるんです。『今日は焼きそばの日だから、お願いね』って。家では私が焼きそば担当になっているんですよ(笑)」
火加減や調理方法によって、鉄鍋への焦げ付きが出てしまうなど、鉄器での炒めものはコツが必要。焼きそばの調理もとても気を遣う必要がありそうですが、及川専務は「全然大丈夫ですよ」とまったく不安な様子がありません。同様のつくり方で鉄フライパンを使う際もくっつかずに焼きそばが調理できるとのこと!
「私の作る焼きそばは、焼くというより蒸すイメージ。だから鍋にくっつかずに調理することができるんです。」
焼くのではなく、蒸す焼きそば。一体どんな調理方法なのでしょう。
まずは具材を切るところからスタート。キャベツ、にんじん、豚肉を「やんべめし」という名前の通り、適度な大きさに手際よく切っていきます。

すべての具材を切り終えたら、次は具材を焼く作業へ。鍋に油を入れたら、まわし広げ、具材を入れていきます。

まずは、火の通りにくいにんじんを焼き、火が通ったら取り出して、油を少量追加し豚肉を焼く。
ある程度火が通ったら取り上げて、キャベツ、にんじん、豚肉の順に鍋の中に重ねていきます。

「麺はこの具材の上に乗せて、鍋に触れないようにするのがポイントです。よく焼きそばの作り方には『水を入れる』って書いてたりするけど、野菜から十分に水が出るので、この調理の仕方をする時は入れなくて大丈夫です。」

具材の上に麺を重ねたら、そのまま蓋をして蒸し焼きに。はじめは完全に閉まらなかった蓋が、時間が経つにつれて沈んでいきます。

「いつも家でつくる時は、この鍋と適当な木蓋を使うんだけど、鉄の蓋を使う場合は鉄蓋の熱で焼き具合いがわかるんです。他にも『ジュー』って、水を熱してる音の具合でもわかってくると思います。」
麺が温まって、十分に蒸し焼きを終えたら火を弱火に。ソースを入れて、具材と麺をかき混ぜていきます。

「かき混ぜる時は麺を思いっきり持ち上げるようにして、水分を飛ばしていきます。よく焼きそばはヘラを使うけど家でやるなら菜箸がおすすめです。」

ソースが全体に行き渡ったら完成。鍋に焦げ付かずに、おいしそうな焼きそばが出来上がりました。

「やっぱり麺は長いほうが食べ応えがあります。焦げ付くとどうしても麺が細かく切れてしまってね。それが嫌で考えた調理法なんです。」

まさに男の料理、家庭で屋台風の焼きそば。思いっきり箸でつかんで口にほおりこむ。専務の焼きそばはうまい!!ぜひみなさんも鉄器を使って焦げ付かない調理法を試してみてください。
さて、また次回はどんなやんべめしが食べられるのでしょうか。
レシピ
南部鉄器で蒸し焼きそば
材料
| 食用油 | 適量 |
| 豚肉 | 1パック |
| 人参 | 3~4本 |
| キャベツ | 1玉 |
| 焼きそば麺 | 3食分 |
手順
- にんじんとキャベツを適度な大きさに切る。
- 中火で1分ほど鍋を温める。油を入れて、にんじんを炒める。
- にんじんに火が通ったら、一度皿に取り出す。豚肉も同様に炒めて皿に取り出す。
- 鍋に油を入れ、キャベツ、にんじん、豚肉の順に重ね、その上に麺をのせる。
- 鍋に蓋をして、中火で5分間蒸し焼きにする。
- 麺がほぐれてきたら弱火にし、粉末ソースを加えて混ぜ合わせる。麺を持ち上げるようにして、水分を飛ばしながら混ぜ合わせるのがコツ!
- ソースが全体に馴染んだら完成。

文 宮本拓海(みやもとたくみ)
1994年生まれ。岩手県奥州市出身。
2019年4月よりフリーランスライターとして活動中。
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